実績紹介イベントレポート

2.Digital Transformation

本セッションでは、顧客の困りごとや現場の課題を読み取り、デジタルの力でこれまでにない先進的な取り組みをしてこられた先駆者達に登壇いただき、DXの現在地や今後について討議。

DXで先を走る登壇者たちが、何に着目してDXを推進し、どのようなX(業界や事業のクロス、パートナーとのネットワーク、新たなエクスペリエンス)に言及するのかに注目!

登壇者
  • 株式会社ミスミグループ本社 常務執行役員 兼 ID企業体社長 吉田 光伸氏
  • 高知県/IoP推進機構 理事 松島 弘敏氏
  • 株式会社バオバブ 代表取締役社長 相良 美織氏
  • 株式会社INDUSTRIAL-X 代表取締役社長 八子 知礼(ファシリテーター)

ピンチはチャンス!?コロナが生んだ追い風

ファシリテーターを務めたINDUSTRIAL-Xの八子氏はまず、「コロナによってDXはどれくらいインパクトを受けたか」と問いかけた。
これに対し、ミスミグループ本社の吉田氏は、「他産業に比べ製造業の会社は大きな影響を受けたが、DXという観点で見ればこれはチャンス。一気にデジタル化が進み、追い風になっている。この追い風をどう事業に生かしていくかが重要」と話した。

バオバブの相良氏は「設立当初からリモートワークが前提なので、自社へのインパクトは大きくなかった。むしろ片道3時間かけてお客様を訪問していたが、相手もオンラインに対応し始めたので1日のアポ数を増やすことができ、チャンスだと感じている。一方、お客様からは、コロナの影響によりAIの学習データ収集が止まってしまったという相談が増えた。DXの推進はもはや必須で、"背に腹は変えられない"状況」と語る。

高知県/IoP推進機構の松島氏は、国から各自治体に補正予算がおりたことを説明しながら「今はDX推進のチャンス。施設園芸農業に必要なデバイスメーカーのデバイスを高度化(AWSへ接続)する補助事業を推進し、その後IoPクラウドに連携してもらう流れを作ることができた。デバイスメーカーは他のクラウドにも接続可能となったので、各社にとっても大きなチャンスになったのでは」と述べた。

最初の質問で3者に共通したのは、コロナという混乱をチャンスと捉えている点である。状況を悲観せず、ピンチをチャンスに変える方法を模索する姿勢が窺えた。

DXにおけるAIの重要性

次に八子氏は「工場の現場や日常のあらゆるモノからデータを収集したあと、そのデータを処理、解析するのは人間であり大変な作業になりつつある。その大量のデータを解析するためにAIを活用するのが今の新しいビジネスを作る流れ。DXにおけるAIの重要性とは」と尋ねた。

吉田氏は「製造業のバリューチェーンを見ると、設計、製造、販売と比較して調達は非効率で全体のボトルネックになっている。ソフトウェアで設計したあと、30分かけて紙の図面に書き起こし、FAXで見積もりを依頼している。Meviyは、設計したデータをそのままアプロードしてもらい、3秒で見積もり、最短で即日出荷を可能にした。AIはこの仕組みの実現において重要な鍵となっている。」とコメントした。筆者もよく講演や記事などで製造業に根付くアナログな慣習について知ってはいたが、改めてその現実を実感した。

松島氏にAI活用状況を尋ねると、「実はAI開発を行っている。温度や二酸化炭素濃度、日射量など施設園芸農業には様々なパラメータがあり、それらを計算して光合成の速度を最大化することで出荷量を増加できる。今は個々の農家さんのデータをIoPクラウドに集約することで、生育スピードや出荷時期予測のアルゴリズムを開発中」と話した。農家さんからのデータ収集を実現するため、説明会を開くなどして徐々に仲間を増やしてきた経緯も振り返った。

こうしたAIビジネスを"縁の下の力持ち"として支えるバオバブの相良氏は、「AIといっても、アノテーションにおいてはまだまだ人間が関わらないといけない。クライアントによってアノテーションのルールが異なるため、難易度は上がってきている。」と説明する。
解決したい課題が異なるので一概に標準化することは難しい、と登壇した3者が賛同した。

1社だけでは進まない。"共創"という考え

続いて八子氏は、「DX推進における共創の難しさと重要性」について尋ねた。
松島氏は、それぞれの取り組みと結果をデータで振り返る重要性について触れた。その上で、「高知県施設園芸農業の発展のため、そして高知県がロールモデルになるという大義名分がある」ことで、利害関係の境目を超えた共創が可能になっていると話した。

相良氏は「バオパートとの深い交流を大事にしている。」と語る。バオパートは現在22ヶ国、800名以上から成り立っている。当然個々の事情によりオペレーションの組み直しを余儀なくされることもあるが、常日頃からコミュニケーションを大切にすることで高品質を保っているという。

吉田氏は「自社だけでは実現できないときは、クロスする必要がある。オープンイノベーションの意識で、仲間集めをしていくことでmeviyを創り上げた」と振り返った。

デジタル=殺伐とした世界、ではない。

最後に、今後どんなDXに取り組んでいきたいか尋ねると「職業の境目がなくなる世界にしていきたい。そのためには、今日のテーマである"クロス"が鍵となると思う。」(松島氏)相良氏は「世界一楽しいアノテーションツールを作りたい。国籍やバックグラウンドが異なる人も楽しくチームを組むためにDXを推進していく必要がある」と語った。吉田氏は「ものづくりを元気にしたい。DXにより無駄を省き、生まれた時間で付加価値の高い仕事ができれば産業の活性化に繋がる」と話す。またmeviyのグローバル展開を見据えて、国という境を越え日本初のグローバルプラットフォーマーを目指すと意気込んだ。

八子氏は最後に「DXといってもデジタルで完結するわけではない。トランスフォーメーション後の姿やその過程では、心の交流(クロス)があったり、職業のクロスが生まれたり、アナログで温かみある部分も存在する。デジタルというと殺伐とした世界を想像するが、大事な価値観が何かを見極めながらDXに取り組んでほしい」と視聴者へメッセージを送った。

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