【イベントレポート】「愛のある組織変革」は実現可能か?「人間性とデジタル化の両立」

―デジタル推進・組織変革など "組織を動かす" ためにはロジックやオーダーだけではなく、愛や思いやりが前提になる―

2022年6月1日(火)18:00~20:30
代官山 蔦屋書店
INDUSTRIAL-Xの代表取締役 八子 知礼 著『DX CX SX』と、 5万部を超えるベストセラー『だから僕たちは、組織を変えていける』の著者 斉藤 徹 氏で「人間性とデジタルの両立」をテーマとして代官山 蔦屋書店様で対談&サイン会を開催しました。

イベント開始後、『DX CX SX』の著者八子からは、 DXの概論、デジタル化しようとすると起きる「DX・魔のデッドロック」が語られました。
DXで目指す姿が分からない「デジタル」、設備やシステムが古い、投資の余力がない「フィジカル」、属人性が強く、デジタル返還後の配置転換ができない「ヒューマン」、この3つの課題は多くの企業や現場で耳にしますと、実例と苦楽を交えて紹介しました。
なかでも、「ヒューマン」は、正しいと思われる指示をしてもその通り動くことが出来ないことが多いのは、人間が一番、曖昧模糊としているからではないでしょうかと問題提起を行いました。

『だから僕たちは、組織を変えていける』の著者で、人が生き生きと活躍する組織開発を得意とする斉藤氏より、1.新しいことをしたくない、2.自分の知識を出したくない、3.他部門のことを考えたくないの3つのテーマについて、理由と解決方法について、深掘りして解説されました。

 

対談では、企業は社会にどんな影響を与えたいのかという組織のパーパス「Why」が大切であるとか、いま目標を数値化し、断片化することにより起きているのは、部署と部署の境目、人間とデジタルの境目…と、斉藤氏、八子ともに、持論の共通点を展開し、組織変革の際に、デジタル化を行う際は、デジタル化するからこそ、愛や思いやりが大切とまとめました。

質疑応答では、八子に「人間味を大切にした愛ある組織変革は分かったけれど、そうはいっても難しいことはなんでしょうか?」、斉藤氏に「適材適所のシェアードリーダーは本当に良いと思う一方で、プロジェクトでフェーズが変わると、種蒔き期と成長期で、それぞれ求められるリーダーの資質は往々にして異なるものだと思いますが、リーダーが変わるタイミングは、どういうタイミングでしょうか?」「リーダーが折れるのか、メンバーが変わるのを待つのか?」などの質問が相次ぎました。
最後は、斉藤氏が事例として、やる気のないチームが急成長した経験について語り「人間は分かってほしい気持ちがとっても強いから、リーダーは傾聴が大事」と斉藤氏と語り、「相手に興味を持つということは、広い意味での愛ではないか」と、八子が締めくくりました。

 

某ケミカル会社の設備DXに携わり、且つ組織改革にも関心がありイベント参加したという男性から「工場の生産設備のIoT化を推進したく、よい機会に恵まれました」と感想を頂きました。※写真撮影時のみマスクを外しております。

 

■『DX CX SX』(八子 知礼 著)とは


競争力ある未来の産業に向けてDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組みながら、企業全体を変革(CX)し、そして社会全体を変えていく(SX)ことが求められる現在の巨大な潮流において、この3つのXに対して企業はいまどのように取り組むべきか、その方法と豊富な事例をまとめた書籍です。今後20年で日本の人口が20%減少する予測から、私たちに残されている時間はもうそれほど多くはありません。徹底的なデジタル化によって経営をスピーディに変革し、垣根を跳び越えたまったく異なる業界・業種への進出や、形態の異なる企業に変容していく必要があります。
WebメディアにてDXの連載を行い、複数の企業・自治体・メディアにて、 DXをテーマに豊富な講演実績を持つINDUSTRIAL-X・代表八子知礼が、数10社、 100件以上のDXプロジェクトに関わる中で、成果を残してきたアプローチや考え方を事例と共に紹介しています。

 

(概要)
定価:1,738円(本体1,580円+税)
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング
全国の書店にて発売中
オンラインでのご購入はこちら https://www.amazon.co.jp/dp/4295406228/
(Amazonのページに遷移します)

 

■『だから僕たちは、組織を変えていける』(斉藤 徹氏 著)とは

インターネット、リーマンショック、コロナウイルス……この数十年で、社会状況や人々の価値観は大きく変わり、組織には柔軟な発想やイノベーションが求められています。しかし多くの組織は、いまだに大量生産時代の「管理主義」のままです。コミュニケーションが枯渇し、つながりが薄れ、モチベーションが消えていく。そんな悪循環が起きています。本書は、そんな旧態依然とした組織を現場から変えていくための本です。自分がリーダーとなって組織を変えていくには、まずは自分から変わり、チームの「関係性→思考→行動」の順で質を上げ、小さな成功をつくるところから始めます。「心理的安全性」のある対話を生み、関係性の質を上げる。仕事の意味を伝えて、思考の質を上げる。メンバーの「内発的な動機」を引き出し、行動の質を上げる。これによって生まれた小さな成功を少しずつ広めていくことで、やがて組織全体が変わっていきます。そのための具体的な方法を、 150以上のイラストや図を交えて紹介します。

 

(概要)
定価:2,068円(本体1,880円+税)
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング
全国の書店にて発売中
オンラインでのご購入はこちら https://www.amazon.co.jp/dp/4295406252
(Amazonのページに遷移します)

 

八子 知礼(やこ・とものり)プロフィール
1997年松下電工(現パナソニック)入社、宅内組み込み型の情報配線事業の商品企画開発に従事。その後介護系新規ビジネス(現NAISエイジフリー)に社内移籍、製造業の上流から下流までを一通り経験。その後、後にベリングポイントとなるアーサーアンダーセンにシニアコンサルタントとして入社。 2007年デロイトトーマツ コンサルティングに入社後、 2010年に執行役員パートナーに就任、 2014年シスコシステムズに移籍、ビジネスコンサルティング部門のシニアパートナーとして同部門の立ち上げに貢献。一貫して通信/メディア/ハイテク業界中心のビジネスコンサルタントとして新規事業戦略立案、バリューチェーン再編等を多数経験。 2016年4月よりウフルIoTイノベーションセンター所長として様々なエコシステム形成に貢献。 2019年4月にINDUSTRIAL-Xを創業、代表取締役を務める。 2020年10月より広島大学AI・データイノベーション教育研究センターの特任教授就任。
(著書、執筆、取材記事など)
著書:『DX CX SX(クロスメディア・パブリッシング(インプレス) )』
記事:Forbes Japan 5月号(誌面)/Brand Voice(ウェブ) 、経済界5月号(誌面)「注目企業2022」、 /経済界ウェブ
連載:JDIR「ものづくりDXのトレンド解説」

 

■斉藤徹(さいとう・とおる) プロフィール
起業家、経営者、研究者、執筆者。株式会社hint代表。株式会社ループス・コミュニケーションズ代表。ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。 1985年、日本IBM入社。 1991年に独立しフレックスファームを創業。 2005年にループス・コミュニケーションズを創業。 30年におよぶ起業家、経営者としてのビジネス経験に基づき、知識社会における組織のあり方を提唱している。 2016年から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。 2020年からはビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授として教鞭をふるう。 2018年に開講した社会人向けオンラインスクール「hintゼミ」には、大手企業社員から経営者、個人にいたるまで、多様な受講者が在籍し、期を増すごとに同志の輪が広がっている。企業向けの講演実績は数百社におよび、組織論、起業論に関する著書も多い。
『だから僕たちは、組織を変えていける』(2021 クロスメディア・パブリッシング)、『業界破壊企業』(2020 光文社)、『再起動(リブート)』(2016 ダイヤモンド社)、『BEソーシャル! 』(2012 日本経済新聞出版社)、『ソーシャルシフト』(2011 日本経済新聞出版社) など

メディア掲載情報

【logmiBiz】
企業のデジタル改革を阻むのは、リーダーの「デジタルな思考」部下が増えれば増えるほど陥る「人と組織の問題」の根本原因
リーダーの役割は「意味と希望を伝える」こと新しいことを「やりたくない」組織から「したい」組織に変える方法
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