株式会社カステラ本家福砂屋

職人の技術とデジタルが織り成す未来。400年の伝統を守るDX新工場プロジェクト
1624(寛永元)年の創業以来、こだわりの製法を守り続けている長崎カステラの老舗、福砂屋。現工場の老朽化ならびに拠点分散による効率低下の課題を解決するために、現工場と物流倉庫を統合した新工場の建設を計画。次なるフェーズとして、自動化技術やデジタル技術を積極採用するための、具体的なデジタルビジョンやロードマップ策定、推進プロジェクト設計をご支援。

プロジェクト背景

プロジェクト期間

2024年5月〜継続中

課題

・新工場の建設にあたり、デジタル化や自動化に向けた本質的な課題抽出、要件定義のための議論を円滑に進められない

実現したいこと

・職人の技術とデジタルが融合した最高のカステラを通じて、伝統を守りながら未来を創造すること

導入効果

・新工場ビジョンの策定
・新規事業の市場調査と事業計画策定
・DXに向けた社内の文化醸成

プロジェクト詳細

これまで

職人の手業に依存したオペレーションが多く、品質の追求に対して、歩留まりや技術の再現性が課題となっていた。

取組内容

新工場において実現する福砂屋のDXビジョンを具現化するべく、以下3つのステップを定義。
今回のプロジェクトではSTEP 1に取り組んだ。
STEP 1:現状の課題整理とDXビジョンの定義
STEP 2:ビジョンを実現するための、新製造オペレーションや設備の導入検討
STEP 3:新工場の建設と新オペレーションの実装

STEP 1:現状の課題整理とDXビジョンの定義
①DXの理解
・プロジェクトコアメンバーに向けて、「DXの本質」「推進ロードマップ」「DXに必要な発想法やフレームワーク」についての研修を入念に実施、メンバーの意識合わせを実施

②課題の洗い出し
・各部門から、現状の課題を収集

③課題の分析と方針の検討
・収集した課題に対して「取り組み易さ」「効果の高さ」の観点で優先順位づけ
・未決定事項の論点整理
・中期的に解決すべき課題の抽出

④目指す姿の定義
・データを中心に捉えた場合の、自社の目指す姿の定義
・コアバリューの再認識
・デジタルツイン実現における自社の状態を整理
・事業展開のためのロードマップの検討
・新工場に導入する設備の要件整理

⑤ビジョンの策定
・新工場ビジョンの明文化
・エンジニアリング会社へのRFP骨子の作成

推進における壁、どのように乗り越えたか

商品や施策が多岐にわたる状況下、全体像を見据えた検討プロセスの設計が必要であった。ビジョン策定や新たな事業構築の議論の中で、現状の課題や目指す姿について、経営と現場それぞれの意見を吸い上げることに苦戦した。この状況で、変革を進める上で「デジタルツイン」という概念を共通言語とし、全員の理解を共通化することで、議論を前に進めることに努めた。

INDUSTRIAL-Xの提供サービス