【イベントレポート】Conference X in 名古屋 2022
〜繋がる、拓く〜
なごのキャンパス
日時:2022年8月31日(水)13:00-17:30(17:30名刺交換会)
主催:株式会社INDUSTRIAL-X
共催:なごのキャンパス
場所:なごのキャンパス 体育館
参加方法及び費用:名刺交換会つき会場参加(10,000円:50名様限定)オンライン視聴(無料:事前登録制)
対象:DX導入に興味関心のある方、DXの最新情報を知りたい方、DX導入推進を検討中の事業会社様、ご担当者様
協賛:Asana Japan、豊田通商株式会社、アルゴG株式会社、ウイングアーク1st株式会社、株式会社グローバルキャスト、株式会社ジョイゾー
メディアパートナー:coki、Business+IT、BizZine
後援:中部経済新聞社、日刊工業新聞社
協力:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
目次
- セッション1
- セッション2
- セッション3
- セッション4
サプライチェーンDX 〜業界の境目を繋ぎ、サプライチェーン全体で取り組むDX〜
このセッションでは、サプライチェーンにおける各領域のプレイヤーがそれぞれの取り組みを紹介し、業界を超えたサプライチェーンDXの目指す姿について討議しました。
【レポート】
“withコロナ時代/ロシア危機のサプライチェーンの捉え方”
アイカ工業は海外の生産拠点において特にロックダウンの大きな影響を受けた。原価が上がったことにより値上げという判断もやむを得ない状態だったと、海外と関連の高い企業ならではの課題を沖永氏は語った。一方、国内の物流シーンにおける影響をシーオスの松島氏が3つ挙げた。1点目は、非接触推奨における「サービスレベルの見直し」である。対面検品や配送回数が見直されたことで、新たなスタンダードが生まれたという。2点目は、ネットビジネスの拡大だ。ニーズに伴う生産量の増加によりロボティクスが一気に進んだと言える。そして3点目は労働集約型現場の集団感染の危機である。このようにビジネスにおける「チャンス」と「危機」が複雑に絡み合う構造になりつつあるのだという。
“手応えと課題感”
物流企業のDX投資の機運が上がってきた。業務のシステム化による標準化によって採用を拡大しようという動きや、少々の業務効率化ではもはや効果が出ないレベルに、「構造変革」が求められていることが背景にあるのではないかとシーオスの松島氏は語る。
変化が激しい状態の中で、緊急輸送サービスはかなりニーズの高いサービスであったと豊田通商の廣田氏は語った。通常、コンテナを一台契約して荷物を運ぶことが多い中、BCP対応の一つとして、コンテナの空きスペースを活用して緊急物資を運ぶことを実現。これまで関わりのなかった荷主企業とも繋がりが強固なものになったという。これも、プラットフォームという場でタイムリーな情報発信・情報共有ができたことが大きく関与しているという。
“今後の展望”
DXの取り組みはまだまだこれからだが、大事なのは「社員教育」なのではないかとアイカ工業の沖永氏は語る。DX推進において、データを収集し、分析することで業務改善に役立てるという流れの中、「収集したデータを見て何を感じるか(読み取るか)」という感覚が重要である。DX人材を育成するアプローチとは別に、現場を熟知している人の中から掘り起こしていくというアプローチもI T部門に求められることであると語った。
シーオス 松島氏は「個社でできることの限界に気づき始めている企業が多い。これを打破するためのキーワードが“標準化とデジタル化”である。これを進めることで共同化(シェアリング)が実現される」と言及する。
アイカ工業のお困りごとである物流の問題をシーオスの倉庫管理で解決し、海外輸送については豊田通商のStreamsを活用するなど、すでにこのセッションの座組みで新たな形が生み出せそうだと強く感じた。(INDUSTRIAL-X八子)
・シーオス株式会社 代表取締役社長 松島 聡 氏
・豊田通商株式会社 グローバル部品SBU グローバル部品米州・欧州部 StreamsプロジェクトG
グループリーダー 廣田 晶久 氏
・株式会社INDUSTRIAL-X 代表取締役CEO 八子 知礼(モデレータ)
DX for ESG 〜企業が持つべきESGの観点と具体策〜
このセッションでは、ESG経営について、「実際企業が感じている課題感」について、第三者視点・取引先視点・当事者視点など複数の観点から紐解き、企業が取るべきアクションを討議すると同時に、ESG経営にDXが不可欠な理由や、持続的な企業経営において重要視すべきポイントについて討議しました。
【レポート】
“なぜ日本企業のESG経営への取り組みは世界に比べて遅れているのか?”
そもそもESG経営に関する理解が日本は進んでいないと切り出したセレンディップ・ホールディングスの竹内氏は、3つのキーワードで解説した。
・「グローバルスタンダード」であることで、消極的な企業も多い。
・認識の違いやIT統制の遅れなど、各企業の取り組みのレベル感に「ばらつき」がある。
・アナログで管理されることで「見える化」ができない。そして次に重要なのが「見せる化」。取り組んでいることをうまく見せられていない(スタンダードが確立していない)
特に3点目の見える化が最も根本的な課題なのではないかと語った。
見える化ができていることは大前提だが、避けられないのが見せる化である。せっかく取り組んでいても、株主について説明できないと評価されないという現実も多く見られる。
個社ごとに持続化社会に向けた行動はしているが、サプライチェーン全体で包括的な取り組みができているケースが少ない。この足並みが揃わないことが、日本が世界から遅れているボトルネックなのではないかとケイティケイ青山氏は語った。
“ESG経営におけるDX化の重要性”
会社統合をきっかけにESG経営に本腰を入れたというミライト・ワンの取り組みを塩澤氏が紹介した。社長からの銘を受け、発足時数名のスタッフで「体制構築、フレームワーク整理、目標と課題整頓」を地道に続けてきたと言う。ベンチマークやGR Iスタンダードなど、モデルケースに倣うことでより無駄のない推進をするということが初動においては重要な点だったという。塩澤氏はESG経営組織を立ち上げる前、DX組織の立ち上げも行っていたという。施工工事を手掛けるミライト・ワンでは、点群データを収集することでデジタル世界上のシミュレーションを行い、それを実際の作業指示にフィードバックする、いわゆる“デジタルツイン”の状態を実現しているという。これにより現場調査〜施工計画という流れがデジタル活用により効率化され、それが最終的にESG経営観点においても効果をもたらしたという。(人手作業からの脱却でカーボンニュートラルや、作業品質、効率化が実現できたという。)
セレンディップ・ホールディングス竹内氏はテレワークによって浮き彫りになったDXサイバーセキュリティの関門について触れた。
「セキュリティに対する教育の重要性」
家で例えると、どれだけ防犯に気をつけていたとしても、玄関に鍵を3つつけることが有効なのではない。まずはどこに窓やドアがあるかを把握すること、そして鍵を渡す相手に、その重要性を教育することが大事であるという。
「各企業が密結合しているという認識を持つこと」
自社の業務は複数間の企業と連携して成立しており、どこかの会社が稼働しないとサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼすこともある。カーボンニュートラルにおいては、自社内だけの取り組みではなく、取引先や物流時のCO2排出量までを把握する必要があるし、セキュリティにおいては自分達の業務外の部分にも目を向けなければならない。まさに「密結合」しているといえる。よってこれからは、業界や、サプライチェーンにおけるスタンダードを作っていくことが課題であるのではないかと提言する。
“世界マクロ経済の変動とESG経営への取り組みの今後”
ESGやSDGsの委員会に参加するとよく聞く声がある。それは取り組み企業が「ステークホルダー(特に社員に対して)ESG経営に取り組んでいるということを見せたい」という声だそうだ。厳しい世の中でも、自分達の活動を「見せる化」していくことが重要なのではないか。(ケイティケイ青山氏)
ESG経営への取り組みが遅れることで、削減目標を達成しないとペナルティを課せることや、取引先に入れてもらえないという状況も目前だ。厳しい経営状況の中でもお金の問題は常に付きまとう。だが経営状況が厳しいから投資を諦めるのではなく、まずESGという広い範囲の中で、いかにスコープを切り分け、決めるかが重要である。(セレンディップ・ホールティングス竹内氏)(参考:「GRIスタンダード」 ESG経営においてどんなアウトプットをする必要があるかが分かれば、どんなインプットが必要なのかがわかる。)
事業推進とESG経営が対立することもあるなか、いかに企業の価値創造と社会課題の解決をうまく融合させて成長曲線を描いていくかということが求められている。ガソリン車とEV車を例にとると、EV車の方がコスト的には高くつくものの、原油の高騰など社会情勢を長い目で見た際に、十分ペイできるのではないか?と言うような長期的な視点でバランスをとっていくことが試されている。(ミライト・ワン塩澤氏)
ESG経営は、短期的な取り組みではなく、中長期的に企業価値を上げていくために必要ということ。それを実現するために、見える化・見せる化、DX化が必須になっていく。(INDUSTRIAL-X吉川)
・セレンディップ・ホールディングス株式会社 代表取締役社長 竹内 在 氏
・株式会社ミライト・ワン 経営企画本部 ESG経営推進部長 塩澤 慶一 氏
・株式会社INDUSTRIAL-X 取締役CSO 吉川 剛史(モデレータ)
街と移動の形を考える 〜テクノロジーと掛け合わせ拓く“これからの暮らしのかたち”〜
このセッションでは、MaaSテクノロジーに精通する名古屋大学客員准教授の野辺氏をモデレータに迎え、「テクノロジー」「地域」「交通事業」という観点からこれから実現される暮らしのかたちについて討議しました。
【レポート】
“MaaSとは?(名古屋大学野辺氏)”
Rider(乗りた人)とDriver(乗せたい人)がアプリ上でマッチングさせる仕組みが原型。
その上に、手段の選択肢(タクシー、バス、電車など)が地図上にマッピングされ、ウェブにつながることでリアルタイムでのマッチング、オンライン決済などオプションの価値が提供されているのが現状の形である。今後は車も「移動体」として、電力を運ぶなどこれからのモビリティの在り方が変わっていく。
“常滑市について(常滑市森氏*欠席のため野辺氏による代読)”
常滑市は人口が6万人弱で、県内でも人口が少なく現在も減少傾向にある。常滑市は現在空港島・りんくう町を中心にMICEを誘致するなど日本を代表する国際観光都市を目指すとともに最先端技術のサービスや社会実装フィールドとすることでイノベーション創出の拠点化を図ろうとしている。また愛知県が名古屋市に設置しているステーションAiを活用し、国内外の有力なスタートアップ企業と大学を巻き込んだサービス開発・実証が実用化していくサイクルの形成が必要である。これらを関連させ常滑市への流入を増やすとともに、常滑市に関連のある移動を生み出そうとしている。愛知県は世界最大のものづくりの集積地であるため、そのポテンシャルをいかにしてグリーンでデジタルな時代の新しいビジネスを作れるかが重要である。注力しているのは先端サービスをいかに継続提供できるかというビジネスモデルの検討である。補助金に依存すると、持続性・広域性にかけるため、それらに依存することなく、受益者に負担いただくことでサービスを継続させるということを重要視している。
残念ながら国への提案書は採択に至らず、今後も継続的な提案を仕掛けていこうとしている。
課題については次のように考えている。常滑市自体は交通アクセスが良いものの、素通りされてしまう。観光戦略プラン2022でも、いかに常滑市に人を呼び込むかが大きな課題となっている。また、半島という地理的な状況から生活インフラが少ないことや高齢化も進んでいる。2023年度にかけて地域公共交通計画を立てており、住民から「課題がある」という声がある一方、そもそも公共交通機関利用者の減少による「ニーズの見えづらさ」は否めず、何から着手して良いいかわからない状態である。都市でも田舎でもない「郊外」という地域において、統廃合の問題や、省力化予知の少ないタクシーやバスの人手不足、などといった未来がすぐ目の前にきている。地域と交通事業者がタッグを組み、事業者目線と利用者目線を掛け合わせることで、持続可能な地域公共交通の実現をぜひ進めていきたいと考えている。
“名古屋鉄道について(名古屋鉄道花村氏)”
名古屋鉄道は愛知・岐阜・三重の交通を活性化させるためにエリア版MaaSアプリ「CentX」をリリースした。今後は商業施設や観光施設、デマンド交通との連携協業により、沿線地域の活性化を図っていきたいと考えている。全国的な取り組みというよりは、エリア版MaaSに徹することで、全国的なMaaSとの協業も実現していけるのではないかと考えている。
これまで、移動手段の提供をしてきた名古屋鉄道だが、今後注力したいのはその上流にある公共交通網の充実や、移動者の移動する目的を創出することである。名鉄グループだけで実現するのではなく、地域に住む(来訪する)お客さま、地域の様々なパートナーの皆さまと共創することで、このシナジーをもっと高めていきたいと考えている。
“課題議論(MaaS Tech Japan日高氏)”
リアルモビリティの進化が続いている。自動車の設計が進化しているのはもちろん、スマートフォンの普及により移動手段を「所有する」のではなく、街に配備されたものを「利用する」という形態の進化も見られる。またスーパーシティにも通ずる点だが、規制改革とともに空路の利活用も進んでいる(垂直離着陸化のモビリティ)。環境負荷の少ないゼロカーボンを考慮したテクノロジー革新においては今後もたくさんの議題が生まれるだろう。
MaaSの考え方は、さまざまなモビリティをデジタルの力で一つのサービスに統合していくということ。それは利用者にとってという考え方もあれば、都市やオペレーション(タクシー、バスなど個々のオペレーション)が一つのオペレーション体系として統一されていくことで効率化され、新たな価値が生み出される。コロナ禍におけるデジタル活用が急速に進み、都市のあり方や生活様式も変わる中モビリティのあり方も変わっている。
業界トレンドとしては、「利用者にとって交通手段が統一化されていく」ことと「それぞれの交通事業や地域が一つに統合されていく(共創する)」ということである。交通事業にとって重要な視点は(名古屋鉄道の発表にもあったが)移動はあくまでその先の目的の副産物であるということ。よって交通事業が活性化していくために、利用者の移動の目的を地域と共創することで生み出していくというのが大事なのではないか。不動産×MaaSや医療・介護×MaaSが発展しているのもそういった背景があるといえる。もちろんMaaSだけでもやり切る価値はあるが、「Beyond MaaS」として人を移動させるその先の医療、不動産、小売、金融などに繋がっていくことで、交通事業はスマートシティにおける重要な一角を背負っていく存在になる。
“モデレータコメント(名古屋大学野辺氏)”
これまでは、ソフトウェアとハードウェア双方が形になって初めてサービスを世に出せるという形であったが、インターネットの拡大により今では形が変わってきている。ハードウェアを先に開発し、後にソフトウェアでサービスを実現したり、アップデートすることでサービスレイヤーだけ拡大させることが可能となった。ここでいうと、ハードウェアである移動体は続々と増えているため、それらを取りまとめて移動体それぞれに対するサービス(ソフトウェア)を定義することができる。MaaSはあくまで、一つのサービスが全てのニーズに応えるのではなく、地域や利用者の特性によって形を変えてニーズに応えていくことが可能。地域性の課題はアプリで改修(カスタマイズすること)が可能なため、一つの町で成功した例を他の地域に展開するなど広域での展開も実現可能といえる。IT系の開発と同じような流れで、モビリティ開発も変化していくのではないか。ハードとソフトを分離しながらサービスを構想していくことが求められる。ハードウェアの標準化も進んでいるために、それらも視野に入れてサービス化していくことが重要である。愛知県は推進事業者や、地域性の課題など、役者が揃っている。まず一つ「日本型MaaS」の成功事例を作ることで、他地域の展開を目指していけるのではないか。
・名古屋鉄道株式会社 地域活性化推進本部 地域連携部 交通サービス担当課長 花村 元気 氏
・株式会社MaaS Tech Japan 代表取締役CEO 日高 洋祐 氏
・名古屋大学 未来社会想創造機構 客員准教授 野辺 継男 氏(モデレータ)
社会づくりを考える 〜未来を拓く名古屋の精鋭 by なごのキャンパス〜
これから数年の間で劇的な変化と遂げる名古屋。そんな名古屋に感じている可能性とは?実現したい未来とは?「ひらく、まぜる、うまれる 次の100年を育てる学校」がコンセプトであるなごのキャンパスの企画運営プロデューサーである粟生氏をモデレータに迎え、これからの名古屋がどのように変化していくのか、それぞれの取り組み触れながら討議しました。
【レポート】
“各社の紹介”
クララオンライン/neuet家本氏は幼少期インターネットに出会ってから25年間、クラウド事業に携わっている。福岡で始めたシェアサイクル事業「チャリチャリ」を名古屋に展開し今年で2年になる。今では東京、熊本を含め4都市で展開中だ。国内に限らず、海外でもビジネスを展開する家本氏が熱く語ったのが「オール名古屋」だ。名古屋の街を、みんなでもっと良くしたいという想いが発表の端々で見られた。名古屋の街はもともと自転車製造の集積だった歴史があり、「移動体」に関するポテンシャルはどこよりも高いと感じると語った。
エンジニアリングサービスを展開するCrystal蒼佐氏は、「さまざまな技術が掛け合わせられることで結晶が生まれる」という社名に込められた思いを語った。整備士の国家資格を取得し、メカニカルアドバイザー、サービスアドバイザーを経て、現在はソフトウェア開発に携わっている。創業3年で、多くの仲間を集め、学び続ける姿勢が印象的に映っていた。
New Ordinary作井氏は学生時にロボット工学を専攻し、制御やシミュレーションを学んだ。その後自動車メーカーに入社し、ロボットシステムの開発やビジョンセンサーやシミュレーションを用いた業務に携わり、その後スタートアップ支援として新たなモビリティ開発や生産技術支援をしてきた。そんな中コロナ禍における行動規制により大打撃を受けたマルシェを目の当たりにし、そこから着想した「DRIVE-IN March」を豊田市と進めたことが創業のきっかけとなった。移動手段の最適化であるMaaSに対して、彼らが目指すのは「移動目的の最適化」であるという。趣味趣向やシチュエーションがAI学習によりレコメンドされ、スポット情報としてユーザーに提案される。複数店舗が併設する商業施設内も個別店舗で掲載され、さらにはそこに移動手段の提案が掛け合わせられることでよりシームレスなユーザー体験の実証も進めている。これからのMaaSは移動手段と移動目的の最適化であり、それをいかにパーソナライズ化させるかが必要だという。目的型MaaSを名古屋から発信するために、今後はあらゆる仕組みの裏側に実装可能な「API連携」を強みとして事業を展開していきたいと考えているようだ。
モデレータのLEO粟生氏の「チャリチャリとの連携もあるのでは?」という提案に対し、家本氏が応えた場面では「目的地が決まっていないユーザーに対して、周辺情報を提案するという観点ではかなり相性が高いと感じる」と回答し、2社の連携の可能性も見えた。
“ずばり名古屋の魅力は?”
「古さ、大きさ関係なく、一緒になって同じ方向に進む結束力の強さではないだろうか?」と一番に口を開いたクララオンライン/neuet家本氏は語った。名古屋の歴史からもそういった背景は考えられるが、名古屋の土地柄上、都市部とベッドタウン近くにあることでさまざまな社会課題と同時に接することができることもビジネス面では大きなチャンスであるという。「実は子育てがしやすい」と語ったのはモデレータのLEO粟生氏だった。
託児所が充実していることはもちろん、トワイライトスクール(保険料の支払いで夕方以降の施設利用ができる)や、なごのキャンパスに入居する企業が提供するアントレプレナーシップ教育も受けられるということが他の地域にない魅力であると語った。
“名古屋の未来予想図”
テクノロジー×社会課題を解決するという観点で成功する街にしていきたい。これまでの日本の構図は「ハード、ソフト、リアル」の専門知識が縦割りに存在していたが、今はそれぞれの得意分野を伸ばせて、掛け合わしていきたい(クララオンライン/neuet家本氏)
テクノロジーをフックに愛知から日本の産業を変えていきたい。リニア開通も含め、より名古屋が大阪や東京に負けない都市になるよう、新たな事業展開も含めてチャレンジしていきたい。(Crystal蒼佐氏)
ものづくりやテクノロジーのポテンシャルは愛知が日本一だと思うし、日本だけではなく、海外の事業者も協業したいという声が出るだろう。今は企業規模に関わらず、協業・オープンイノベーションしていく風土が十分にあるため、とても期待している。(New Ordinary作井氏)
閉鎖的であると言われがちな愛知だが、実は愛知の人々のマインドは全くそうではない。企業を超えて、業界を超えて、さまざまなコラボレーションをどんどん加速させたい気運が高まっている名古屋には「繋がる、拓く」がまさに目の前に広がっている。(LEO粟生氏)
・Crystal株式会社 代表取締役社長 蒼佐 ファビオ 氏
・株式会社クララオンライン/neuet株式会社 代表取締役社長 家本 賢太郎 氏
・株式会社LEO 代表取締役 粟生 万琴 氏(モデレータ)